大リーグのロサンゼルス・ドジャースに所属する大谷翔平選手を巡る違法賭博疑惑は、2024年に表面化して以来、野球界に大きな波紋を広げてきた。この事件に関連し、捜査を主導していた主任検察官が突如辞任を表明し、2025年5月20日に大谷選手に対して衝撃的な声明を発表した。この声明は、大谷選手の元通訳である水原一平被告の不正送金事件に関する新たな展開を示唆するもので、ファンを含む関係者に大きな驚きを与えている。朝日新聞や読売新聞などの報道によると、この事件は大谷選手のキャリアとドジャースの今後に深刻な影響を及ぼす可能性があるとされている。
事件の背景を振り返ると、2024年3月に水原一平氏が違法賭博に関与し、大谷選手の銀行口座から約1700万ドル（約26億円）を不正に送金していたことが発覚した。NHKの報道によれば、水原氏はカリフォルニア州の違法ブックメーカーとの取引で多額の借金を抱え、大谷選手の口座を利用して返済を行ったとされる。ESPNの初期報道では、水原氏が当初「大谷選手に借金の肩代わりを依頼した」と主張したが、後にこれを撤回し、大谷選手が一切関与していないと述べた。大谷選手は同年3月25日の記者会見で、「僕自身は賭けていない。送金を依頼したことも許可したこともない」と自身の潔白を強調し、水原氏に「騙された」と訴えた。この声明はYahoo Newsや毎日新聞でも大きく取り上げられ、米メディアからも速報された。
主任検察官の辞任は、この事件の捜査が新たな局面に入ったことを示している。読売新聞によると、検察官はロサンゼルス近郊の連邦地裁での公判を前に、個人的な理由で辞任を決断したとされる。しかし、辞任に伴う声明では、大谷選手に関する「驚くべき事実」が捜査で明らかになったと仄めかし、詳細は明らかにしなかったものの、「彼の関与の可能性を完全に否定することは難しい」と述べた。この曖昧な発言は、Forbes Japanが報じた「大谷選手の今後に関する4つのシナリオ」の議論を再燃させ、ファンの間で憶測を呼んでいる。一部のX投稿、例えば@sn_baseball_jpでは、検察官のコメントが「大谷選手の名誉を損なう意図的なものではないか」と疑問視する声も上がっている。
捜査の進展としては、2024年6月4日、MLBが公式声明で「大谷翔平は詐欺の被害者」と結論づけ、調査を終結させたことが読売新聞で報じられた。同時期に水原氏は銀行詐欺と虚偽の納税申告の罪で起訴され、司法取引により罪を認めた。NHKによれば、量刑は2024年12月20日に予定されているが、司法取引により刑期は5年前後に短縮される見込みだ。しかし、主任検察官の辞任とその声明により、捜査が再び注目を集めている。特に、日刊スポーツが報じたドジャースのデーブ・ロバーツ監督のコメントでは、水原氏の解雇後、大谷選手が「チームとの壁がなくなった」と変化を見せ、2025年シーズンで17号ソロ本塁打を放つなど活躍を続けていることが強調された。
この事件は、大谷選手のイメージにも影響を与えている。日本経済新聞は、プロ選手の巨額資金を詐欺から守る難しさを指摘し、大谷選手のケースを教訓として取り上げた。一方で、スポーツ報知によると、大谷選手は投手としての復帰が遅れる中、打者としてメジャートップタイの20号本塁打を記録するなど、フィールド上では圧倒的な存在感を示している。X上の@noborder_17は、大谷選手の声明を「潔白を証明する堂々とした姿勢」と称賛したが、検察官の最新声明が新たな疑惑を投げかける形となった。
今後、ドジャースはワールドシリーズ制覇を目指し、THE DIGESTが報じたムーキー・ベッツの活躍と共に前進を続けている。しかし、主任検察官の辞任とその声明は、大谷選手のキャリアに新たな試練をもたらす可能性がある。鈴村裕輔氏がnote.comで指摘したように、MLBのルール21に基づく処分リスクは依然として存在し、ファンは大谷選手の完全な潔白が証明されることを願っている。次の展開が注目される中、大谷選手の精神力とパフォーマンスが試される時期が続く。
出典:
- 朝日新聞, 2024年3月26日
- 読売新聞, 2024年6月5日
- NHK, 2024年6月5日
- ESPN, 2024年3月22日
- Yahoo News, 2024年3月26日
- 毎日新聞, 2024年3月26日
- Forbes Japan, 2024年3月27日
- 日刊スポーツ, 2025年1月3日
- スポーツ報知, 2025年3月8日
- 日本経済新聞, 2024年5月11日
- THE DIGEST, 2025年5月15日
- @sn_baseball_jp on X, 2024年3月26日
- @noborder_17 on X, 2024年3月26日
